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AFCP2.0の終了と今後の対応策

AFCP2.0(After Final Consideration Pilot Program 2.0)は、2024年12月14日をもって終了となりますのでお知らせいたします。

以下、AFCP2.0の終了に関する連邦官報(参考ページ[1])の概要となります。

AFCP2.0終了に関する連邦官報の概要

AFCP2.0は、2013年5月に米国特許商標庁(USPTO)が開始した特許審査プログラムであり、最終拒絶(ファイナルアクション)後に出願人がクレーム補正を行い、審査官との追加協議を促進する目的で導入されました。

本プログラムは、継続審査請求(RCE)を減らし、審査効率を向上させることを目指していました。特に、出願人にとって、庁費用なしに審査官とインタビューを行い、最終拒絶後も実質的なクレーム補正(より具体的には、独立クレームに対する減縮補正)を考慮してもらう機会が得られるという利点がありました。この点、従来では、最終拒絶後の実質的な補正は補正却下の対象となり、RCEが必要となっておりました。

AFCP2.0は当初、1年間限定のパイロットプログラムとして導入されましたが、本プログラムが効果的であるかどうかを評価しながら、その後何度も延長されてきました。特に2016年以降では年間6万件を超えるAFCP2.0の申請があり、本プログラムの利用は非常に高い水準にありました。

その一方、2022年度においてAFCP2.0の運営コストは1,500万ドル以上であることが推定されました。出願人は庁費用を支払わずに本プログラムを利用できるため、経済的な非効率が生じており、これがAFCP2.0の高い利用率の要因となっておりました。

このため、USPTOは、2025年度の庁費用の改定に際して、本プログラムの運営コストを回収する目的からAFCP2.0に関する庁費用の導入を提案しました。提案された庁費用は、通常費用で500ドル、中小企業に適用される減額費用で200ドル、マイクロ企業に適用される減額費用で100ドルとなります。

しかしながら、2024年4月3日にUSPTOが本プログラムに対する庁費用の導入を提案した際に、パブリックコメントを通じて多くの懸念が寄せられました。出願人の多くがAFCP2.0に対する庁費用の導入に否定的な姿勢を示した結果、USPTOは本プログラムの継続を断念し、2024年12月14日をもってAFCP2.0を終了することを決定しました。当初は2024年9月30日で本プログラムは終了予定でしたが、本プログラムの利用者の便宜を図り、本プログラムは2024年12月14日まで延長されます。

AFCP2.0の終了により、最終拒絶後のクレーム補正を審査官に考慮してもらうためのプログラムはなくなりますが、出願人には他の選択肢が残されています。

例えば、通常の審査プロセスでは、最終拒絶後のクレーム補正が許容される場合や、審判請求理由書補充前のレビュー請求(Pre-appeal brief request for review)をすることで、審査官合議体からの特許性に関する判断を得ることができます。また、審査官とのインタビューを通じて、審査の進行を促進することも可能となります。

弊所コメント

AFCP2.0はファイナルオフィスアクション(OA)送達後の対応オプションとして米国特許実務において広く活用されてきましたので(特にIT分野の特許出願では積極的に活用されている)、本プログラムの終了が今後の米国特許実務に与える影響は大きいと思われます。

一方で、下記の参考ページ[2]に示すように、AFCP2.0の成功確率は25%程度となっており、約70%がアドバイザリ通知の対象となることから、大幅なクレーム補正をする際にはRCEの方が寧ろ好ましい場合が多いのが現状ではございました。特に、アドバイザリ通知の送達時期の遅れによって延長費用の負担が大きくなる等のデメリットもございました。

ファイナルOA送達後では、クレーム補正は大幅な制限を受けるため(実質的補正は新たな争点により補正却下の対象となるため)、ファーストOAの対応時において審査官インタビュー等を積極的に活用しつつ、許可クレームとなりそうな新規従属クレームを保険として複数追加するのが良いかと思われます。

参考ページ

[1] https://www.federalregister.gov/documents/2024/10/01/2024-22481/extension-and-termination-of-the-after-final-consideration-pilot-program-20
[2] https://blog.juristat.com/afcp-2019

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