先日、弁理士会主催のイベントとして去年11月に開設されたビジネス・コート(知財高裁新庁舎・東京地裁中目黒庁舎)の見学会に行って参りましたので、簡単に見学会の感想についてご紹介いたします。
ビジネスコートは、東京地裁のビジネス系裁判(商事部、倒産部、知的財産権部)の機能と知的財産高等裁判所(以下、知財高裁)の機能を担う新庁舎となりまして、中目黒駅から徒歩約10分の場所に位置しております。昨年11月から開設されたビジネス裁判に特化した新しい裁判所となります。
ビジネスコートは、目黒川沿いに立地しており(麻薬取締官事務所の跡地)、裁判所を思わせない現代的な建築物となっております。著名な建築家の隈研吾氏が設計されたそうです。建物の外壁タイルは桜模様を基調としつつ、裁判所内の至るところに桜のモチーフが使用されています。目黒川沿いの桜並木に調和した建築物をコンセプトとしているようです。
また、特に印象に残った法廷は、301号法廷となります。ここは、知財高裁の大合議判決(5名の裁判官合議体による判決)に使用される法廷となります。法廷としては珍しく大きな窓が設置されており、陽光降り注ぐ明るい雰囲気の法廷です。技術説明会に使用される75インチの大型ディスプレイやオンライン出頭用のカメラ等も設置されており、まさに現代裁判に相応しいモダンな法廷でした(残念ながら、所内は撮影禁止ですのでご想像ください)。
本見学会では、知財高裁の大鷹所長および坂本事務局長との懇親会の機会にも恵まれました。
大鷹所長はかなり気さくな方でして、色々と貴重なお話を聞くことができました。
大鷹所長曰く、オンライン裁判を強く推進していくとのことでした。将来的には裁判所にリアルで出頭することの方が稀となり、オンライン出頭(例えば、メタバース裁判)がスタンダードになっていくのかもしれません。
なお、所内にはフリーWi-Fiはありませんので、出頭する際にはテザリング又はポケットWi-Fiが必要となります。また、駅から離れていますので38台の駐車場が利用可能となります。
最後に、IPStartは、知財の保護だけでなく知財の活用の側面からクライアント様を支援することをミッションとしております。今回、ビジネス・コートについての情報を収集できたことは今後の活動においても非常に有用だったと思います。