特許庁ステータスレポート2026のご紹介

特許庁よりステータスレポート2026が発行されておりましたので、今回は当レポートから見る各法域の日本出願の傾向について簡単にご紹介します。以下の各グラフはステータスレポート2026に掲載されたものとなります。

特許出願件数

2025年における特許出願件数:358,317件
‐PCT出願からの国内移行件数:72,011件
‐国内移行を除く特許出願件数:286,306件

2025年における特許出願件数は、2023年から約51,462件増加し、3年連続の増加となりました。特に、PCT国内移行を除く国内特許出願の件数は昨年から約52,000件の大幅な増加となっております。

次に、特許出願人の国籍の傾向は以下となります。

日本を除くと、例年とおり、米国、中国、韓国、ドイツの順に日本への特許出願件数が多い結果となっております。外国からの日本出願の多くがPCT経由であることが分かります。また、他国と比べて米国や韓国の出願人はパリ優先権に基づく直接出願が多いことがわかります。米国は外国語書面出願が多い傾向があります。

日本の中小企業の特許出願件数の推移は以下となります。2024年における特許出願件数は3.8万件となり、昨年度から出願件数が減少しました。過去10年間は概ね3.7-4万件の間で推移しております。

実用新案登録出願件数

2025年における実用新案登録出願件数:4,768件

実用新案登録出願の件数は年々減少しているものの、過去5年間は4,500-5,500件の間で推移しております。

次に、実用新案技術評価の請求件数の推移を以下に示します。こちらも同様に請求件数は年々減少しております。実用新案権は無審査で登録となるため、権利行使する際には特許庁への実用新案技術評価の請求が必要となります(実用新案法第29条の2)。つまり、実用新案権に基づく権利行使活動が停滞している実態を示しています。

意匠登録出願件数

2025年における意匠登録出願件数:31,781件

意匠登録出願に関しては、国内意匠登録出願の件数は横ばいであるものの、国際意匠登録出願(※ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく国際出願であって、日本国を指定締約国とし、かつ国際事務局により国際登録され、国際公表された出願)の件数が年々増加しております。

商標登録出願件数

2025年における商標登録出願件数:168,114件

商標登録出願の件数は、ここ数年減少傾向が続いておりましたが、2025年は増加に転じました。

審査傾向

特許出願件数、特許登録件数、特許登録率の傾向は以下となります(横軸は出願年)。

出願年ごとの特許登録件数は安定しています。特許登録率は年々上昇基調にあり、直近では約60%となります。

また、特許出願件数は2011年から2022年まで減少基調にあったものの、この間において審査請求件数は23万件前後で安定しておりました。

2025年における拒絶査定不服審判の請求成立率(前置登録件数を含まない。)は75%でした。ここ数年、審判の請求成立率は70%台で推移しています。

拒絶査定不服審判件数

拒絶査定不服審判の件数の推移は以下となります。

異議申立件数

特許及び商標の異議申立の件数の推移は以下となります。

無効審判請求件数

各法域における無効審判請求の件数の推移は以下となります。近年の特許及び商標における無効審判請求の件数は100件前後となっています。一方、2024年、2025年の特許無効審判請求の件数が急増しております。近年の特許無効審判の審決(公開情報)を見ると、一部のたばこ製造会社と製薬会社による無効審判事件が多いようです。

審査期間

特許出願

  • スーパー早期審査のFA*(First Action)期間:0.9月 (※PCTからの国内移行出願は1.7月)
  • 早期審査のFA期間:2.3月
  • 通常審査のFA期間:9.1月
  • 審査請求から権利化までの平均係属期間:13.0月

※ここで、FA期間とは、審査請求日から一次審査結果の通知日までの平均月数を示します。

意匠登録出願

  • 早期審査のFA期間:2.0月
  • 通常審査のFA期間:5.9月
  • 出願から権利化までの平均係属期間:6.6月

商標登録出願

  • 早期審査のFA期間:1.9月
  • 通常審査のFA期間:6.8月
  • 出願から権利化までの平均係属期間:7.8月

意匠・商標登録出願では、出願から審査結果まで約半年、出願から登録まで約7月が目安になるかと思います。

制度検討

産業構造審議会知的財産分科会の特許制度小委員会・意匠制度小委員会等における検討事項

・AI技術の発達を踏まえた産業財産権制度上の適切な対応(①発明②発明者③引用発明適格性の3論点)

・国際的な事業活動におけるネットワーク関連発明等の適切な権利保護(海外にサーバーが設置されていても、日本の特許権の権利行使を認めた最高裁判決も出されたところであるが、いかなる場合に権利行使が可能であるかが依然として明確ではないため、権利保護の予見性について懸念)

・仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方

・知的財産の侵害抑止へ向けた取組(特許権侵害訴訟は資金や人的リソース等の大きな負担を要するために、特許権者は権利が侵害された場合に十分な救済を得ることが難しいという課題)

・ePCTによるオンライン出願・発送の導入や、国内優先権に基づく先の出願のみなし取下げの廃止

出典

https://www.jpo.go.jp/resources/report/statusreport/2026/index.html

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